中国商標の三年不使用取消制度の最新情報

2026/03/17
2026/03/17

中華人民共和国商標法(2019年改正)第49条及び商標法実施条例(2014年改正)第66条に基づき、登録商標の使用が正当な理由なく3年連続で停止された場合、いかなる組織又は個人も中国国家知識産権局(CNIPA)商標局に対し、登録の取消を申請することができます。

この申請は、中国では一般的に「3年不使用取消」(以下、「不使用取消」という)と呼ばれています。

不使用取消は、中国商標法における重要な制度であり、遊休商標資源を整理し、登録・使用制度の健全性を維持することを目的としています。しかし、実務の積み重ねに伴い、形式的な適格性や悪意ある出願に関する問題が徐々に顕在化してきました。2025年から、CNIPAは審査要件の見直しと特別な是正措置の導入により、手続きのさらなる標準化を進めています。

本稿では、2025年の改訂で導入された主な変更点について概説します。

項目旧規定新規定
立証責任立証責任は商標権者にあり、商標が3年以内に実際に使用されたことを自ら証明する必要がありました。不使用取消請求人は、「3年不使用取消」審判を開始するための、簡単な手がかり(ウェブページのスクリーンショットなど)を提出するだけで済みました。不使用取消請求人は、取消対象となる商標が「3年間連続して使用されていない」という客観的事実を証明するための予備調査証拠を積極的に提出することが必要となりました。そうでない場合、請求は補足・訂正または拒絶されるリスクがあります。
より厳格で定量的な証拠の要求請求人に対する証拠書類の提出要件は緩く、プラットフォームのスクリーンショット1枚または簡単な声明のみで足りる状況でした。これにより、不使用取消請求が悪意をもって濫用される恐れがありました。請求人は、以下の3点の主要な証拠を提出することが明確に求められています。
 
1. 商標権者の基本情報:事業範囲、運営状況/存続状況、商標登録状況など。
 
2. 事業調査報告書:権利者が存続状態にある場合には、商品販売、サービス提供、営業所などに関する調査証拠。
 
3. プラットフォーム調査証拠:3つ以上のプラットフォーム(主要ECサイトや業界ウェブサイトなど)で調査を実施し、プラットフォームのホームページのコンテンツを含む5ページ連続のスクリーンショット。
真実性に対する新たな遵守義務商標権者(被請求人)については、提出する証拠資料に関して、関連する証拠目録またはリストを作成し、提出資料の真実性に対して責任を負うことのみが規定されていました。
一方で、請求人に対する明確な「誠実な誓約」要件は設けられていませんでした。
請求人およびその代理機関は、申告事項および提出資料の真実性に関する誓約書に署名し、提出した証拠の真実性について法的責任を負う必要があります。虚偽の資料を提出した場合には、関係機関が信用上の制裁を受けるほか、行政処分の対象となる可能性があります。
審査の厳格性請求人に対する審査は、被請求人に対する審査に比べて緩やかでした。
同一の商標に対して、異なる主体から複数の「三年不使用取消請求」が提出される場合や、一人の出願人が複数の登録商標に対して「三年不使用取消請求」を提出する場合など、さまざまな状況が想定されました。
請求人に対する審査を厳格化することで、請求に要する費用と難易度が高まり、これにより証拠の偽造などの不正行為を抑止する効果が期待されます。
潜在的な影響取消請求人への影響は比較的軽微である一方、商標権者(被請求人)には重い立証責任が課せられていました。商標権者が適時回答しなかった場合、商標権が取り消される可能性が高くありました。請求人の立証責任を明確化することにより、「三年不使用取消」請求の件数が減少し、商標を実際に使用している商標権者の立証責任が一定程度軽減されることが期待されます。
請求費用請求費用は相対的に低かったです。証拠収集などにかかる費用が増加することで、請求コストが上昇し、請求に求められる専門性水準も大幅に高まります。

CNIPA(中国国家知識産権局)は、不使用取消請求における初歩的証拠の十分性を以前より重視するようになりました。原則として、より厳格な審査基準が適用されますが、請求人には一般的に資料の補足や詳細な説明を行う機会が与えられます。

さらに、商標局はデータ分析に基づき「正常でない不使用取消請求人リスト」を作成する場合があります。これにより、特定の請求人の信用格付けやコンプライアンス記録に影響が及び、場合によっては行政処分につながる可能性があります。

改訂された不使用取消請求ガイドラインを踏まえ、請求人は裏付けとなる証拠の収集を強化するとともに、自身の経歴、事案の事実関係、商標の使用状況などを慎重に評価することが推奨されます。この慎重な評価は、代理機関の利用や匿名請求の判断に役立ち、商標局による却下やブラックリスト掲載のリスクを最小限に抑えることにつながります。

原文:https://www.boip.com.cn/en/news/604.html

    

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